保育園は何歳まで?卒園後の預け先まで完全解説

保育園を卒園し、小学校の門の前に立つ親子。何歳まで保育園に通えるか、その後の小1の壁について解説する記事のアイキャッチ画像。 保育園基本情報

あなたのお子さんの保育園、一体何歳まで利用できるのか、その正確なルールを自信を持って説明できますか?「年長クラスが終わるまで、つまり5歳まででしょう?」と漠然と理解しつつも、「本当に3月31日で、私たちの保育生活は完全に終わってしまうの?」「小学校の入学式までのあの“空白期間”、仕事はどうすれば…?」といった、言葉にならない不安が心をよぎるのではないでしょうか。特に共働きのご家庭にとって、この問題は単なるスケジュール調整ではなく、時としてキャリアプランそのものを揺るがしかねない、極めて重要な課題です。

ご安心ください。この記事は、あなたが一人の保護者として抱えるその不安と疑問に、徹底的に寄り添い、そして解決するために存在します。国の基本ルールという「建前」から、検索してもなかなか見つからない自治体ごとの“裏ワザ”的な延長制度という「本音」まで、情報を徹底的に網羅。さらには、多くの家庭が直面する「小1の壁」という大きな課題を乗り越えるための、具体的で実践的なアクションプランを提示します。

この記事を最後まで読み終えたとき、あなたはもう情報を探してネットの海をさまよう必要はありません。あなたの手元には、ご自身の家庭にとって最適解となる「就学移行シームレス保育プラン」を描くための、確かで信頼できる羅針盤が握られているはずです。さあ、私たちと一緒に、その第一歩を踏み出しましょう。

この記事があなたに約束する4つの到達点

  • 【結論の明確化】保育園利用の「原則」と、あなたの家庭に潜む「例外」が何かを正確に理解できる。
  • 【リスクの可視化】「育休」や「退職」が保育園継続に与える、今まで知らなかった影響を完全に把握できる。
  • 【具体策の入手】卒園後の“空白期間”を乗り越えるための、自治体別の具体的な支援策を知り、すぐに行動に移せる。
  • 【未来への備え】「小1の壁」を乗り越えるための、今日から始めるべきタスクリストと時間軸が手に入る。
  1. 保育園は何歳まで?対象年齢の【原則】をまず理解しよう
    1. 結論:原則は「0歳から小学校就学前の年度末まで」
    2. 「小学校就学前」とは具体的にいつ?5歳児クラス?6歳の誕生日?
    3. 認可保育園・認可外保育園で対象年齢に違いはある?
  2. 【最重要】「保育の必要性の認定」が利用可否を左右する
    1. 「保育認定(2号・3号認定)」とは?(※初めての方向け解説)
    2. 注意!育休取得・退職・求職活動で「認定」が取り消されるケース
    3. 自分の「保育認定」の状況を確認する方法
  3. 【自治体別ケーススタディ】卒園後の“空白期間”を埋める延長・一時預かり制度
    1. 横浜市の事例:「年度末までの保育」事業
    2. 大阪市の事例:卒園児向け一時預かり
    3. お住まいの自治体の制度を調べる方法と問い合わせのコツ
  4. 「年長の壁」から「小1の壁」へ。切れ目ない保育を実現する3つのステップ
    1. ステップ1:学童保育の情報収集と申し込み(年長クラスの夏〜秋)
    2. ステップ2:預け先が決まらなかった場合の代替案をリストアップする
    3. ステップ3:勤務先の制度確認と「小1の壁」への備え
  5. Q&A:よくある質問と専門家からの回答
    1. Q. 4月1日生まれの子どもは、いつまで保育園にいられますか?
    2. Q. 6歳の誕生日を迎えたら、すぐに退園しないといけませんか?
    3. Q. 幼稚園に転園する場合、どのような手続きが必要ですか?

保育園は何歳まで?対象年齢の【原則】をまず理解しよう

保育園の年齢別クラスと小学校入学の関係を図解したインフォグラフィック。0歳児から5歳児クラスまでの流れと、小学校就学のタイミングを示しています。
図1: 【図解】保育園の年齢区分と小学校入学の複雑な関係

さて、まず全ての土台となる「原則」から解き明かしていきましょう。保育園に預けられる子どもの年齢は、国の法律で基本的な考え方が定められていますが、その言葉の解釈が、しばしば保護者の皆さんを混乱の渦に巻き込みます。ここでは、全ての保護者が知っておくべき「原則」と、その根拠となるルールについて、深く、そして正確に理解を深めていきます。認可と認可外での扱いの違い、そして「小学校就学前」という一見単純な言葉に隠された本当の意味まで、一緒に確認していきましょう。

結論:原則は「0歳から小学校就学前の年度末まで」

まず、揺るぎない結論からお伝えします。あなたのお子さんが認可保育園を利用できるのは、原則として「入園した0歳から、小学校に入学する前の年度末まで」です。これは、お子さんが「年長さん」として過ごす5歳児クラスの3月31日まで、と具体的に言い換えることができます。この大原則は、日本の保育制度の根幹をなす児童福祉法という法律に基づいており、全国共通のルールとして運用されています。

しかし、ここで思考を止めてはいけません。「じゃあ、やっぱり3月31日で終わりなんだ」と結論づけるのは早計です。なぜなら、これはあくまで「認可保育園」における「原則」に過ぎないからです。実際には、この原則の外側に、認可外保育施設という選択肢や、後述する自治体独自の例外ルールが存在します。重要なのは、「原則」を理解した上で、「私たちの家庭には、この原則以外の選択肢はないだろうか?」という探求の視点を持つことです。その視点こそが、最良の計画を立てるための出発点となります。

法律では、保育所は「保育を必要とする乳児・幼児を日々保護者の下から通わせて保育を行うことを目的とする」施設とされています。この「幼児」が「小学校就学の始期に達するまでの者」と定義されているため、この運用が基本となるわけですが、この定義こそが、次の疑問、「6歳の誕生日問題」へと繋がっていきます。

「小学校就学前」とは具体的にいつ?5歳児クラス?6歳の誕生日?

多くの保護者の方が一度は抱く疑問、それが「年度の途中で6歳になったら、保育園を追い出されてしまうの?」という不安でしょう。この疑問を解消する鍵は、児童福祉法ではなく、学校教育法という別の法律に隠されています。この法律によれば、保護者は「子の満六歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから」子どもを小学校に通わせる義務があります。

この条文の核心は、個人の「誕生日」ではなく、日本の教育制度全体を貫く「学年」という単位で物事が動く、という点にあります。つまり、あなたのお子さんが例えば5月生まれで、年度の早い段階で6歳になったとしても、その瞬間に卒園を迫られることはありません。所属している学年(5歳児クラス)が終了する、翌年の3月31日までは、保育を受ける権利が保障されているのが一般的です。

この「年齢」と「学年」の概念の違いを理解することは、非常に重要です。なぜなら、保育園のクラス編成、年間行事、そして子どもたちの発達支援計画のすべてが、この4月1日から翌年3月31日までを一つの区切りとする「学年」をベースに作られているからです。だからこそ、卒園もまた、個人の誕生日ではなく、クラスの仲間たち全員で同じ日に迎える、という大きな節目になるのです。

認可保育園・認可外保育園で対象年齢に違いはある?

さて、これまでお話ししてきたのは、主に「認可保育園」の話です。しかし、あなたの選択肢はそれだけではありません。国や自治体が定めた基準を満たして運営される認可保育園に対し、より自由度の高い運営が認められているのが「認可外保育施設」です。この施設形態の違いは、対象年齢の考え方にも大きな影響を与えます。

認可保育園が「小学校就学前まで」という原則に厳格に従うのに対し、認可外保育施設の中には、明確な卒園の概念を設けず、小学生になった後も学童保育のような形で預かりサービスを継続している施設が数多く存在します。これは、まさに「切れ目のない保育」を求める保護者のニーズに応える形であり、特に学童保育の待機児童問題が深刻な地域においては、非常に有力な選択肢となり得ます。

ただし、この選択には光と影があることを忘れてはなりません。対象年齢の柔軟性という大きなメリットの裏側には、一般的に認可保育園よりも高額な保育料、そして保育の質や安全基準が施設によって大きく異なるといった、注意すべき点も存在します。認可外を検討する際は、料金体系やプログラム内容はもちろん、災害時の避難計画や職員の配置基準といった、子どもの安全に直結する項目まで、ご自身の目で厳しくチェックする姿勢が不可欠です。「こんなはずではなかった」と後悔しないためにも、メリットとデメリットを天秤にかけ、総合的に判断することが何よりも重要です。

【最重要】「保育の必要性の認定」が利用可否を左右する

保育認定の区分(2号・3号)と対象年齢、事由を説明する図
図2: あなたの保育園生活を支える「保育認定」の仕組み

前章で、年齢という「原則」について理解を深めました。しかし、認可保育園の利用を語る上で、それ以上にあなたの家庭の状況に深く関わってくる、もう一つの絶対的なルールが存在します。それが、「保育の必要性の認定」です。この一枚の認定証が、あなたの保育園生活の継続可否を決定づけると言っても過言ではありません。この章では、この最重要の仕組みが、時に保護者を予期せぬ困難に直面させる現実について、具体的なケースを交えながら掘り下げていきます。

「保育認定(2号・3号認定)」とは?(※初めての方向け解説)

「保育認定」という言葉に、少し難しい印象を受けるかもしれませんね。簡単に言えば、これは「あなたのご家庭は、日中の保育が困難な状況にあるため、公的な保育サービスを利用する資格がありますよ」という、お住まいの自治体からの“お墨付き”です。この認定を受けることで初めて、認可保育園への入園申込資格が生まれます。そして、この認定は、お子さんの年齢に応じて、2つの区分に分かれています。

【保育認定の2つの区分】

  • 3号認定:0歳から2歳まで(満3歳未満)の子どもで、保育の必要性が認められる場合。
  • 2号認定:3歳から5歳まで(満3歳以上・就学前)の子どもで、保育の必要性が認められる場合。

そして、「保育の必要性」が認められる主な理由(事由)には、保護者の「就労」が最も一般的ですが、それ以外にも「妊娠・出産」「疾病・障害」「親族の介護」「求職活動」「就学」など、様々な状況が定められています。この事由が、あなたの現在の状況と一致しているかどうかが、常に問われることになるのです。

注意!育休取得・退職・求職活動で「認定」が取り消されるケース

ここからが、本題の核心です。在園中に、あなたの家庭の状況が変わった場合、この「保育の必要性」の認定が、無慈悲にも見直されることがあります。特に、多くの保護者が直面し、頭を悩ませるのが、第二子以降の「育児休業」を取得した場合、そして保護者が「退職」した場合です。

なぜなら、これらの状況は行政的に「家庭での保育が可能になった」と判断され、原則として保育認定の事由から外れてしまうからです。自治体の対応は本当に様々で、「下の子が1歳になるまで」「上の子が3歳以上ならOK」など、継続利用の条件は異なりますが、最悪の場合、在園中の上の子が「退園」を求められるケースは、悲しいことに決して珍しくありません。これは、「保育園は、あくまで保育を必要とする家庭のための福祉サービスである」という大原則に基づいているためです。

また、「退職」して転職活動に入る場合も同様のリスクが伴います。多くの自治体では、「求職活動」も保育の必要性事由として認めていますが、その有効期間は「認定から90日間」などと厳格に定められています。もし、この期間内に次の仕事が決まらなければ、認定は失効し、お子さんは退園せざるを得なくなります。状況が変わる際には、必ず「事前に」自治体の保育課に相談し、利用継続の可否と、そのために必要な手続きを正確に確認するという行動が、あなた自身と家族を守ることに繋がります。

自分の「保育認定」の状況を確認する方法

「では、私たちの家庭の認定状況は今どうなっているの?」その答えは、あなたのご自宅に保管されているはずの一通の書類に記されています。それは、入園決定の際に自治体から交付された「支給認定証」です。この書類には、認定区分(2号か3号か)、保育の必要量(1日11時間の「標準時間」か、8時間の「短時間」か)、そして最も重要な「認定の有効期間」が明記されています。

もし、この書類を紛失してしまった場合や、記載内容に少しでも不安を感じた場合は、決して一人で悩まないでください。すぐにお住まいの市区町村の役所の担当窓口(保育課、子育て支援課など)に電話で問い合わせましょう。個人情報を伝えれば、現在のあなたの家庭の認定状況を正確に教えてくれます。

特に、これから働き方を変える予定がある方、第二子の家族計画を考えている方、あるいは起業や就学を検討している方は、今この瞬間にご自身の認定状況と、状況が変化した場合の自治体のルールを確認しておくことを強く、強く推奨します。その数分の確認作業が、数ヶ月後の「こんなはずではなかった」という絶望的な事態を防ぐための、最も効果的な予防策なのです。

【自治体別ケーススタディ】卒園後の“空白期間”を埋める延長・一時預かり制度

保育園卒園後の延長保育制度について、横浜市と大阪市の対象者・期間・料金を比較した表。お子さんが何歳まで利用できるかの参考に。
図3: 【独自調査】主要都市における「保育の空白期間」支援策の比較

さて、ここまでの章で「原則は3月31日まで」「保育認定が鍵」という、いわば制度の“骨格”を理解しました。しかし、本当に知りたいのは「では、どうすればその困難を乗り越えられるのか?」という具体的な“武器”のはずです。この章では、働く保護者にとって最大の難関、3月末の卒園から4月上旬の入学式までの「保育の空白期間」に焦点を当て、一部の先進的な自治体が提供する、まさに“救世主”ともいえる支援策を、具体的な事例と共に紹介していきます。

横浜市の事例:「年度末までの保育」事業

神奈川県横浜市は、この「空白期間」問題に対し、非常に積極的な姿勢を見せている自治体の一つです。市は「年度末までの保育」という名称で、認可保育所などを卒園した児童を対象に、卒園後も引き続き施設での預かりを可能にする、画期的な制度を設けています(※制度内容は年度により変更の可能性があるため、必ず最新情報をご確認ください)。

この制度が画期的なのは、その対象期間です。利用期間は卒園翌日の4月1日から、なんと小学校の入学式前日まで。まさに、保護者が最も頭を悩ませる期間を、切れ目なく完全にカバーする設計になっています。これは、単なる一時預かりではなく、卒園した園で、慣れ親しんだ先生や友達と過ごせるという、子どもの心理的負担を軽減する上でも、計り知れない価値があります。

【ケーススタディ:横浜市の例】
制度名:年度末までの保育
対象者:卒園する認可保育所等で、もともと延長保育を利用している児童
特筆事項:この制度は、延長保育の利用者という一定の条件がありますが、「空白期間」問題に対する行政の明確な回答を示した、全国でも稀な先進事例と言えます。
情報源:横浜市公式サイト(令和〇年度版 子育て支援情報など)
※上記はあくまで過去の事例です。詳細な条件や申込方法は、必ず横浜市の公式サイトで最新の情報をご確認ください。

大阪市の事例:卒園児向け一時預かり

一方、大阪府大阪市のように、市として統一された「空白期間」対策制度がなくとも、個別の保育施設が自主的に支援策を提供しているケースもあります。これは、市の画一的な制度というよりは、地域の実情や施設の裁量によって行われる、より柔軟な対応と言えるでしょう。

このような場合、あなたが取るべき最初の行動は、今お子さんが通っている保育園に、卒園児向けの一時預かりサービスを実施する予定があるか、直接問い合わせてみることです。園長先生や主任の先生に、「実は卒園後の預け先に困っておりまして…」と相談ベースで話してみるのが良いでしょう。もし在籍園で実施していなくても、近隣の姉妹園や、地域の子育て支援に熱心な私立園で受け入れている可能性について、情報をもらえるかもしれません。

重要なのは、「行政の公式サイトに情報がないから、私たちの街には何もないんだ」と早合点しないことです。公的な情報網の外側で、現場レベルの助け合いや、独自のサービスが存在する可能性は十分にあります。あなたのその一本の電話が、解決への扉を開く鍵となるかもしれません。

お住まいの自治体の制度を調べる方法と問い合わせのコツ

あなたがお住まいの自治体に、こうした隠れた支援策が存在するかどうかを突き止めるには、少しだけ調査のコツが必要です。まず、市区町村の公式サイトで「一時預かり」「延長保育」「卒園児」といったキーワードを組み合わせて検索するのは基本ですが、多くの場合、情報は簡単には見つかりません。

そこで、より効果的なのが、役所の担当窓口(保育課・子育て支援課)への「戦略的な電話問い合わせ」です。ただ漠然と「何か制度はありますか?」と尋ねるのではなく、「年長クラスの卒園後、小学校入学式までの預け先に具体的に困っています。横浜市では『年度末までの保育』という制度があると聞きましたが、私たちの市では、それに類するような、卒園児を対象とした一時預かりや、特別な延長保育事業は実施されていないでしょうか?」と、他市の具体例を引き合いに出して質問するのです。

この聞き方は、担当者に「この保護者は真剣に、そして具体的に困っている」という印象を与え、より踏み込んだ情報を引き出す効果が期待できます。また、地域の「子育て支援センター」の相談員や、公設学童保育の指導員、そして何より同じ保育園の卒園児を持つ先輩ママ・パパからの口コミは、公式サイトには絶対に載っていない、生きた情報の宝庫です。デジタルな検索と、アナログな人脈の両方を駆使するハイブリッドな情報収集こそが、この難問を解決する最強の戦略なのです。

「年長の壁」から「小1の壁」へ。切れ目ない保育を実現する3つのステップ

保育園卒園と小学校入学に向けたやることリスト。年長クラスの夏から始める学童保育探しから、入学準備までのスケジュールをタイムラインで解説。
図4: 成功へのロードマップ!年長から小1への移行期タイムライン

保育園の卒園という一つのゴールテープを切っても、あなたの目の前にはすぐに「小1の壁」という、新たな、そしてより高いハードルが待ち構えています。しかし、どうか恐れないでください。この壁は、決して運や偶然で乗り越えるものではありません。正しい知識に基づき、計画的に行動することで、誰でも乗り越えることが可能なのです。この章では、そのための具体的な3つのステップを、あなたと共有します。さあ、今すぐ始められる準備で、未来の不安を安心へと変えていきましょう。

ステップ1:学童保育の情報収集と申し込み(年長クラスの夏〜秋)

小学校入学後の放課後の居場所として、誰もが最初に思い浮かべるのが「学童保育(放課後児童クラブ)」でしょう。しかし、ここで多くの保護者が犯してしまう致命的な過ちが、「入学が決まってから考えればいい」という楽観的な見通しです。断言しますが、それは絶対に間違いです。特に都市部において、学童保育の待機児童問題は保育園探し以上に深刻化しており、その申込戦線は、あなたが思うよりずっと早く、年長クラスの秋頃には火蓋が切られます。

なぜ、そんなにも早く動く必要があるのか?
それは、人気の学童、特に手厚いサービスを提供する民間学童は、募集開始後すぐに定員が埋まってしまうからです。「まだ夏休みだから大丈夫」と油断している間に、あなたの選択肢は刻一刻と失われていきます。「年長に進級したら、すぐに学童探しを開始する」。このスピード感こそが、勝負の分かれ目です。

学童保育は、自治体が運営主体となる「公設学童」と、民間企業が運営する「民間学童」に大別されます。両者は保育料からサービス内容まで、全くの別物と言ってよいほど異なります。どちらが良い・悪いではなく、あなたのご家庭の就労状況、教育方針、そして経済状況に合致するのはどちらか、という視点で冷静に比較検討しましょう。

  • 公設学童:最大の魅力は、月数千円〜1万円程度の安価な保育料です。小学校の敷地内や隣接地に設置されていることが多く、子どもの移動負担が少ないのも利点。しかし、開所時間が18時頃までと短い、長期休暇中の弁当が必須など、保護者の負担が比較的大きいのが難点です。
  • 民間学童:保育料は月3万円〜10万円以上と高額ですが、その分、最長21時頃までの夜間預かり、自宅や駅までの送迎、英語やプログラミングなどの学習プログラム、夕食の提供など、至れり尽くせりのサービスが魅力です。まさに「時間と安心をお金で買う」という選択肢と言えるでしょう。

これら学童保育については、当ブログの別記事でさらに詳細な比較と選び方を解説していますので、ぜひそちらもご参照ください。

ステップ2:預け先が決まらなかった場合の代替案をリストアップする

「全力を尽くしたけれど、学童保育にすべて落選してしまった…」。考えたくないシナリオですが、これは残念ながら、毎年多くの家庭で現実に起こっていることです。しかし、この最悪の事態に備えて、あらかじめ複数の「プランB」を準備しておくことが、あなたの心を絶望から救います。

具体的な代替案として、以下の3つの選択肢は必ず調べておきましょう。重要なのは、実際に困る前に、見学や問い合わせ、会員登録だけでも済ませておくことです。

  • ファミリー・サポート・センター:あなたがお住まいの市区町村が運営する、地域住民による相互援助活動です。「子育てを手伝いたい人(提供会員)」と「手伝ってほしい人(依頼会員)」をマッチングし、1時間1,000円前後の比較的安価な料金で、学童への迎えや、その後の数時間の預かりを依頼できます。
  • ベビーシッター・キッズシッター:費用は最も高くなりますが、最も柔軟で確実な選択肢です。自宅での1対1の保育は、子どもにとって最も安心できる環境かもしれません。最近では、オンラインで簡単にシッターを探せるマッチングサービスも充実しており、複数の会社に登録して、信頼できるシッターさんを何人か見つけておくと、いざという時の精神的なお守りになります。
  • 地域のNPO法人などが運営する放課後スペース:学習塾や習い事とは異なり、子どもたちが自由に過ごせる「第三の居場所(サードプレイス)」を提供している非営利団体も存在します。宿題を見てもらえたり、異年齢の子どもたちと交流できたりと、学童とはまた違った価値を提供してくれます。「〇〇市 子ども食堂」「〇〇市 プレーパーク」などのキーワードで検索してみましょう。

ステップ3:勤務先の制度確認と「小1の壁」への備え

子どもの預け先という「外的要因」の確保と同時に、私たち保護者自身の働き方という「内的要因」を見直すこと。この両輪が揃って初めて、「小1の壁」という坂道を乗り越えることができます。小学校に入学すると、保育園時代には想像もしなかったほど、平日の日中に親の対応が求められる場面(保護者会、授業参観、個人面談、PTA活動など)が急増します。

この現実に立ち向かうため、今こそ、あなたの会社の就業規則を隅から隅まで読み返し、活用できる制度がないか徹底的に洗い出しましょう。人事部に問い合わせて、自社の「子育て支援制度」についてレクチャーを受けるのも有効です。

  • 時短勤務制度:多くの企業で、子どもが小学校3年生の年度末まで取得可能です。朝の登校準備や、下校後の「おかえり」を言ってあげられる時間は、何物にも代えがたい価値があります。
  • フレックスタイム制度・テレワーク制度:「中抜け」して学校行事に参加したり、子どもの下校時間に合わせて仕事を切り上げたりと、働き方の自由度を格段に高めてくれます。
  • 子の看護休暇:子どもの急な発熱や怪我の際、年次有給休暇とは別に取得できる休暇です。法律で定められた権利であり、気兼ねなく利用しましょう。

ハルからの提言

そして、何よりも重要な最後のピースが、パートナーとの徹底的な対話と協力体制の再構築です。「小1の壁」は、決して母親だけが一人で背負うべき課題ではありません。これは「家庭」というチームで乗り越えるべきプロジェクトです。「朝の登校班の集合場所までの付き添いは、曜日で分担できないか?」「学童のお迎えが間に合わない緊急事態が発生した場合の、第一優先対応者はどちらか?」「夏休みなどの長期休暇、有給休暇はどのように分担取得するか?」…入学前に、これらの具体的なシミュレーションと役割分担を、腹を割って話し合っておくこと。その対話の時間こそが、未来のあらゆる困難に対する、最も強力なワクチンとなるのです。

Q&A:よくある質問と専門家からの回答

ハル
監修・執筆:ハル

複数の自治体資料や法令を基に、中立的な情報発信を行う保育情報リサーチャー。当ブログ「ほいくのたね」の運営者として、保護者のリアルな悩みに寄り添った、客観的で信頼できる情報提供を心がけています。

さて、最後の章では、これまでの解説でカバーしきれなかった、特に多くの保護者の皆さんから寄せられる、細やかで具体的な質問に、Q&A形式で明確にお答えしていきます。あなたの心に残る最後の「もやもや」をここで完全に解消し、晴れやかな気持ちで、次なる行動へと踏み出しましょう。

Q. 4月1日生まれの子どもは、いつまで保育園にいられますか?

A. これは非常によくある質問ですね。結論から言うと、4月1日生まれのお子さんは、法律上、前年度の3月31日生まれのお子さんと同じ「早生まれ」の学年として扱われます。少し不思議に感じられるかもしれませんが、年齢計算ニ関スル法律により、「年齢ハ出生ノ日ヨリ之ヲ起算ス」と定められているため、4月1日生まれの子は、3月31日の24時に満6歳になると解釈されるのです。

そのため、満6歳になるのは4月1日ですが、その時点ですでに法律上は小学校に入学する学年に達していることになります。したがって、保育園の利用は、その前日である満6歳になる年の3月31日まで、ということになります。つまり、結論としては、他の同学年のお子さんと卒園のタイミングは全く同じ、ということになりますのでご安心ください。

Q. 6歳の誕生日を迎えたら、すぐに退園しないといけませんか?

A. いいえ、その心配はまずありません。これも前述の「学年」の考え方に基づいています。認可保育園の在籍管理は、個々人の誕生日ではなく、4月1日から翌年3月31日までを一つの単位とする「学年」で行われています。これは、小学校の制度と完全に連動しています。

したがって、あなたのお子さんが年度の途中で6歳の誕生日を迎えたとしても、在籍している5歳児クラスが正式に終了する年度末(3月31日)までは、引き続き保育園を利用する権利があります。

ただし、これはあくまで「認可保育園」における一般的な原則です。認可外保育施設の中には、独自の年齢規定を設けている場合も考えられなくはありません。万が一、ご心配な場合は、お通いの園の園長先生や主任の先生に、「念のための確認ですが」と一言、質問してみると、より確実で、心からの安心が得られるでしょう。

Q. 幼稚園に転園する場合、どのような手続きが必要ですか?

A. 保育園から幼稚園への転園は、制度の管轄が全く異なるため、いくつかの重要な注意点があります。最大の違いは、幼稚園の入園に、保護者の就労などを証明する「保育の必要性の認定」が一切不要である点です。幼稚園は文部科学省が管轄する「教育施設」であり、保育園(厚生労働省管轄の「福祉施設」)とは根本的な位置づけが異なります。

具体的な手続きとしては、まずあなたが希望する幼稚園に直接連絡を取り、空き状況の確認と、入園説明会や見学への参加、そして入園願書の提出を行います。幼稚園側から入園の内定を得られたら、それと並行して、現在お通いの保育園と、お住まいの自治体の役所(保育課)の両方に対し、「退園届」を提出する必要があります。

この退園届の提出期限は、「退園希望月の前月の15日まで」など、自治体によって厳格に定められています。もし期限を過ぎてしまうと、翌月分の保育料が発生してしまう可能性もありますので、幼稚園への入園が決まったら、一日も早く退園手続きのスケジュールを確認し、計画的に進めることが、無用なトラブルを避けるための鍵となります。

  • 【行動原則1】「年度末まで」を絶対の基本と心得るべし。それ以降の保育は「例外」を探す冒険だと認識し、早めに行動を開始しましょう。
  • 【リスク管理の鉄則】あなたの「働き方の変化」は、保育認定に直結する。育休や転職を計画する際は、まず役所に相談する癖をつけましょう。
  • 【情報収集の極意】公式サイトになければ、電話で聞く。他市の具体例を出し「〇〇市ではこうですが、うちの市は?」と戦略的に質問しましょう。
  • 【小1の壁・最重要タスク】学童探しは「年長の夏」がタイムリミット。公設と民間のメリット・デメリットを比較し、家庭の最適解を見つけましょう。
  • 【プランBの準備】「学童全落ち」は他人事ではない。ファミサポ、シッター、地域の居場所など、今すぐ代替案の登録と調査を済ませておきましょう。
  • 【家庭内連携】「小1の壁」はチーム戦。パートナーと役割分担や緊急時対応を具体的に話し合う時間を作りましょう。その対話が最大の備えです。
  • 【最終確認の義務】この記事は羅針盤であり、地図そのものではない。最後は必ず、あなた自身の目で、自治体と園の最新情報を確認する責任があります。
あなたの次の具体的な「第一歩」

さあ、知識は行動に移して初めて価値を持ちます。今すぐ、あなたのお住まいの市区町村のウェブサイトを開き、検索窓に「一時預かり 卒園児」と入力してみてください。そして、来年度の「学童保育 申込」のスケジュールも併せて確認しましょう。今日見つけた一本の情報が、半年後のあなたを救うかもしれません。

【免責事項】
本記事で提供する情報は、2025年11月時点の調査及び一般的な事例に基づくものであり、その正確性や完全性を保証するものではありません。保育制度や各種サービスの内容は、法改正や各自治体・各施設の方針によって頻繁に変更される可能性があります。最終的な判断と行動にあたっては、必ずご自身の責任において、お住まいの自治体や各保育園、関連施設が提供する最新の公式情報をご確認いただきますよう、重ねてお願い申し上げます。

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